椿寿庵

ツバキ基礎知識2

花の大きさの基準

極小輪小輪中輪大輪極大輪
~4cm4~7cm7~10cm10~13cm13cm~

ツバキは自然の植物です。
その大きさ、色、形体を分かりやすく類別するためあくまで概ねの生態から仕分けたものとなります。
「小輪でも、7.1cmだったりするケース」も容認される、ということを予めご了承ください。

【花弁】

一重ひとえ咲き
花弁はなびらが8枚以内で、花芯に雄蕊おしべがある。
筒咲き 猪口咲き 抱え咲き 椀咲き
らっぱ咲き 平開咲き 桔梗咲き
一重ひとえ咲き以外
八重咲き 牡丹咲き 獅子咲き 二段咲き 唐子咲き
蓮華咲き 千重咲き 宝珠咲き 列弁咲き  

一重咲き

花弁はなびらが8枚以内で、花芯に雄蕊おしべがある。

つつ咲き
開ききってもY字形が崩れない
次第に花弁が反って開く場合が多い。
筒咲きのうち、特に花弁の長いものは「長筒ながづつ咲き」「百合ゆり咲き」という。
一休、永楽、大山白、常満寺、関戸太郎庵など
猪口ちょこ咲き
主に極小輪の花。
筒咲き、らっぱ咲きなど広い範囲を含める
別名「侘助わびすけ咲き」
侘助種
かかえ咲き
花弁の端が内曲して、雄蕊を抱えるように咲く
別名「たま咲き」
玉霞、蜜姫、おぼこ、延寿紅、大日の曙など
わん咲き
花底がやや深く、ゆるく丸みを持ち、全体がお椀のような形になる。
花底が浅く、丸みが薄いものを「盃状ハイじょう咲き」と呼ぶこともある。
曙、大白玉、紅妙蓮寺、加茂本阿弥など
らっぱ咲き
筒咲きよりも大きく花弁の端が反る。
抜筆、絞朧月、隠れ磯、貴婦人、白玉絞りなど
平開ヘイカイ咲き
花弁が平たく全開する
肥後椿・ユキツバキに多い。
不二、やつお、日の丸、加賀の白梅など
桔梗ききょう咲き
花弁の端が内曲するか、花弁が中折れして先端が尖っているもの
別名「剣弁けんべん咲き」
小衣、乙姫、三河数寄屋など

一重咲き以外のもの

二段にだん咲き
雄蕊の一部が弁化して盛り上がり、花の中にもう一段、花を重ねたように盛り上がる。
別名「やぐら咲き」
花車、相合傘、源氏車など
八重やえ咲き
花弁9枚以上で、花芯に雄蕊が見える
唐錦、袖隠し、春曙紅、明石潟、岩根絞りなど
蓮華れんげ咲き
八重咲きのうち、内外の花弁が大きく開いて立体的に開く。(中折れしてゆるく反る)
都鳥、羽衣、春のうてななど
牡丹ぼたん咲き
八重咲きの花芯部が乱れたもので、大小の花びらと分割した雄蕊(割れ蕊)が、花芯で混じり合っている
光源氏、京牡丹、酒中花、雪小国、白太神楽、淀の朝日、ベティーズビューティーなど
千重せんよ咲き
花弁が多く重なって、雄蕊がない、もしくは見えない
白菊、薩摩、乙女椿、紀州司、菊冬至など
列弁れつべん咲き
千重咲きのうち、花弁の重なりが放射状や螺旋状に並ぶ
白六角、綾子舞、あやとり、津川絞り、三浦風車など
獅子しし咲き
花全体に大小不規則な花びらが盛り上がり、花弁間に雄蕊が見え隠れしている。
南蛮紅、白拍子、荒獅子、だい神楽など
唐子からこ咲き
雄蕊や葯が、弁化して中心にまとまったもの。
卜伴(日光・月光)、式部、菱唐糸、白唐子、紅唐子など
宝珠ほうじゅ咲き
花心部の花弁が開かず、雄蕊に代わって玉を作る
品種によっては八重咲き・千重咲きの開花前のものを指すことも。
宝珠、玉残し、崑崙黒、越の麗人など
松毬まつかさ咲き
(未稿)
薔薇バラ咲き
(未稿)
芍薬しゃくやく咲き
(未稿)

【花柄】

絞り
縦絞り 小絞り 吹き掛け絞り
入り
星斑ほしふ 雲状斑うんじょうふ 横杢斑よこもくふ
覆輪ふくりん
白覆輪 紅覆輪
筋入り
底白

【雄しべ】

筒芯
筒状の雄しべ
閉じ芯
やく(花粉袋)がくっついている
ユキ芯
ユキツバキに多い 雄しべは細く長短
輪芯
筒しべが太く短く、葯が輪状に並ぶ
梅芯
肥後椿 雄しべが太く長く放射状
侘芯
侘助 雄しべが退化変形

剣弁
左右の花弁のフチが内曲するか、中央部でとい状に折れて、花弁の先端が尖って見えるもの
これが全体に及ぶのが桔梗咲き。
爪折つまおれ弁
開き気味の花弁のまま、フチが内曲したもの。
八重咲き、千重咲きの花弁全体に及ぶと立体感が増す。
中折れ弁
とい状弁、樋形弁、り形弁、龍骨弁などとも言われ、花弁が中部で折れているもの。
八重咲きの花弁全体に現れると、蓮華咲きになったりする。
はた
雄蕊の一部が弁化して立ち上がった小さな花弁を言う。
時々、花弁のフチに葯の退化したものが付随する。
兎耳とじ
牡丹咲きの洋種に多く見られ、大きい旗弁がウサギの耳のように立ち上がり、多くは中折れ状になる。

【葉】

金魚葉
梵天 のこぎり葉
錦葉
(緑色の葉に黄色の覆輪や斑が出る)